2011年9月25日日曜日

リウマチ性多発筋痛症(PMR)

リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)

頸部、肩、四肢近位部分などの筋肉に激しく執拗な痛みや、こわばりを来す疾患である。65歳以上の高齢者に多く、在宅医療の現場ではしばしば遭遇する。原因は不明だが、動脈炎が基礎になっているといわれている。

PMRは赤沈で診断できる

 PMRでは、赤血球沈降速度(ESR)が40mm/時以上に促進する。血清のCRP値や末梢血液の白血球数も軽度に増多するが、赤沈の促進が最も特異的な所見である。

 この症例も、血液検査にて、血沈が1時間値68mmと亢進しており、さらに低栄養状態(アルブミン3.4g/dL)であったことからPMRと診断した。なお、PMRは、リウマトイド因子が陰性で自己抗体が証明されないことが多く、この点が関節リウマチとは異なる。

 PMRの治療は容易で、少量のステロイド剤によって改善する。本症例でも、プレドニン10mg/日の投与したところ、わずか数日で疼痛が改善し、同時に食事量も増えた。座位が可能となったので、プレドニン5mg/日と減量し維持量とした。

 要介護高齢者の在宅医療の現場では、本疾患が老衰と見なされて、適切な加療がないまま廃用症候群を助長させている例が少なくない。安易に老衰と判断するのは避けるとともに、患者に負担のない検査で原因を突き止めるべきであろう。

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